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地元 京都をはじめとする関西地方、ライブやイベントの遠征で出向いた土地で食べた美味しいもの・美味しいお酒を思い返したり、友に勧めたり、自分が次回行くときの参考にするための自分用備忘録です。 リアルタイムで呟くにはX(旧Twitter)で十分なのですが、後から見返すには自分のポストが多すぎて見つけられないので、思い切ってブログで記録することにしました。
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 WJ立ち読みに某7・11に行ったら、ちょっと惹かれる商品が。
 寒い日にコンビニなんて行くモンじゃないですよね~。誘惑が多いったら。


 えぇと、そんな感じで小咄。ううぁ、久々・・・なのに、何だコレ??<聞くな。
 リョ桜、時間軸としては当家の、Principium causalitatis内中1の今頃で。


 あ。ちなみにタイトルはぜんぜん別の、とある店のとある商品の名前からです。これも美味しいですよ~。お勧めv 箱のデザインも可愛いのv




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春よ恋






「やっほ~! みんな、元気してたか~ぁ!!」
 曲者部長の、「んじゃ、休憩!!」といった合図を待っていたかのように響いた明るい声に、コートの中からわらわらと歩き出した青春学園男子テニス部の面々は、いっせいにトラックへと顔を向けた。
 そこには、『子供は風の子元気な子』の標語を解りやすく教えてくれているかのような少年と、こちらは別の意味で寒さなんて感じていないのではなかろうかと思わせる、いつも笑顔を絶やさない少年とが並んで歩いてきている。

「・・・不二先輩と」
「エージセンパイ! どうかしたんっすか~?」

 すでに卒業式を迎え、春休みに入っている三年生がわざわざ学校に出てくる時間ではない。
 不思議そうに目を瞬いた海堂・桃城の新副部長・部長コンビに、元青学レギュラーでもある少年二人は、それぞれに特徴的な笑顔を浮かべて、
「いや~、今日ひっさびさに寒かったじゃん? だからさ~」
「頑張ってるみんなに、ちょっとした差し入れをと思ってね」
 これ、とそれぞれが持ち上げた、通学路沿いにある見慣れたコンビニエンスストアのビニール袋に、ただ今絶賛成長期、食べ盛りの少年たちは瞬時に食いついた。
「ええぇ! マジっスか、マジっスか菊丸先輩!!」
「不二先輩、あざっす!」
「いっただっきま~す!!」
「のあぁぁ!? ちょっ、待てっておまえらぁ!!」
「はいはい、並んで並んで。ちゃんとみんなの分あるからね」
 群れをなして襲いかかってくる後輩たちに、見事に逃げ損ねた菊丸が悲鳴を上げるのを尻目に、素早く危険を回避した不二が、まるで小さな子供に言い聞かすように声をかける。いつの間に取ったのか、菊丸が持っていたはずのビニール袋までしっかり確保しているところは、さすがだ。
「まずは部長から・・・って思ったんだけど、桃、あっちに参戦してるね。じゃ、海堂、おいでおいで」
「はぁ。ありがとうございます」
 目上の人間には基本的に礼儀正しい新副部長が、綺麗に45度のお辞儀をするのに、くすり、と柔らかく笑んで、不二は紙に包まれた温かいものを渡した。

「なんすか、これ?」
「ん? あんまんだよ。実は海堂、甘いもの嫌いじゃないでしょ?」
 掌をほかほかと温めるそれに首を傾げる海堂に、「ね?」と同意を求めると、
「あ~、いいっスね~。ねね、不二センパ~イ、俺のはなんっスか~」
「桃はね、特製肉まん。ボリュームたっぷり」

 菊丸を囲む輪の、中心にいたはずの桃城がうらやましそうに海堂の手元を見てくる。その手に、はい、と海堂に渡したものより若干大きい肉まんを渡してから、不二はわやくちゃにされてしまったであろう級友に目を向けた。

「だいじょうぶ、エージ?」
「ち、ちっともだいじょぶじゃないにゃ~! ひどいじゃにゃいか、フジィ! 自分だけ逃げるにゃんて~!!」
「何言ってるの、エージ。ちゃんと助けたじゃない」
「へぇっ!? どこがだよ~」

 案の定、地面に力なく座りこんだまま、「さっさと逃げたくせにぃ!!」とぶすったれている菊丸に、不二はにっこりと笑顔で答える。

「守ったよ? エージがわざわざみんなのために買った、大事な差し入れ」

 そして、唐突にくるり、と振り向いた。いつの間に買ってきたのか、すでにトレードマークともなっている愛飲飲料水の缶を片手に、呆れたようなまなざしを向けているスーパールーキーへと。
「あ、越前。君にはこれね」
「・・・どもっス、不二センパイ」
 そのまま、にこにこ笑顔の不二と、撃沈させられている菊丸とを交互に見やってから手の上に、ポン、と置かれたふかふかの物体を見て、リョーマがとりあえず不二に頭を下げる。
 と、それを聞いた菊丸が瞬時に復活した。
「あぁ! ずるいずるいフジィ! おチビの選んだの、俺にゃのに~!!」
「うん。でもほら、早くしないと冷めちゃうからさ。さ、越前、食べてみて」
 わあわあと声を上げて非難する菊丸を歯牙にもかけず言い切ると、不二はわざわざリョーマの手から缶を受け取って、
「新作なんだ、それ。見つけたのエージなんだけど、ぜひとも越前に食べさせたいって言うからさ」
「そ~にゃんだよ~。ささ、おチビ。感想は?」
「や、まだ食ってナイっス」
 どうぞ、と促してくる先輩二人に怪訝な目を向けながらも、リョーマは素直に紙包みを開いた。
 どうせ、何か企んでいるときのこの二人には、逃れようとするだけ無駄だ。それならむしろ、自分から罠に向かったほうが、前もって心構えが出来る分、被害が少ない。
 そう、どこか諦観したような心境で開いた包みの中身は、意外と普通のふかしまんだった。
 ただ、その色ははじめて見るものではあったけれど。

「・・・ピンク?」
「ピンクだな、どう見ても」

 自分の分は早々と胃に収めてしまったらしい部長・副部長が、リョーマの上から覗き込むと、互いに顔を見合わせた。
 肉まんやあんまんなど、一般的なふかしまんは、白。黄色ならばチーズやカレーマンかと思うが、桃色のものははじめて見る。
「コレ、なに味っスか、不二センパイ?」
「食べてみれば判るよ」
 リョーマの手の中にある桃色のふかしまんを指差して尋ねる桃城を、不二があっさりと流す。
 しょっちゅう買い食いをしている桃城にも判らないものが、日本に来て初めてはじめて二十四時間営業のコンビニエンスストアなどという店の存在を知ったリョーマに分かるはずも無く。
 とりあえず、一般の店で売ってるくらいだから、普通に食べられるものだろう。と判断して、リョーマは思い切って口に入れてみた。
 とたん、ふんわりとした生地の感触と一緒に、ほんのりと甘い餡の味が口に広がる。
「どうだにゃ~、おチビ?」
「うまいか? まずいか?」
 目を輝かせ、興味津々で見つめてくる菊丸や桃城に答えず、リョーマはもぐもぐと口を動かして、

「なんか・・・さっぱりしてて甘い。けっこうウマイ、ケド・・・」
「けど、どう? 越前」
「つい最近、どっかで食べたような・・・・・・?」
 なんだっけ、と首を傾げながら、飲み込んだ。
「甘いってことは、餡子か?」
「そっスよ。食べます、海堂センパイ?」
「いや―――・・・」
「あ、ズッリィ。なんで海堂だけなんだよ、越前?」
「桃センパイに渡したら全部食べられるからに決まってるじゃないっスか」
「ひょっとして、季節限定とかっスか、これ?」
 目を向いて言う桃城をあっさりと切って捨てて、リョーマはもう一口、そのふかしまんを口に入れる。しっとりした甘みはくどさがなくて、とても口には合うのだけれど、それ以上にどこか覚えのある味に首をひねるリョーマを、その桃色のふかしまんとを見比べながら、海堂がふ、と思いついたように不二と菊丸に尋ねた。
「そ~だよん。にゃににゃに、海堂、分かった~?」
「はぁ、たぶん」
「わかったンスか、海堂センパイ?」
「たぶんな。桜・・・じゃ、ないか。それ?」
「さくら?」
「さくらぁ!? そりゃ、今の時期さくら味のチョコとか売ってっけどよ~。さくらマンとか、聞いたことねぇぜ、聞いたことねぇよ」
 海堂の回答に、不思議そうに目を瞬いたリョーマを遮って、桃城が馬鹿にしたように鼻で笑ったが、
「正解」
「ぴ~んぽ~ん! 海堂大当たりだにゃ~」
 不二がぱちぱち、と軽く拍手を送り、菊丸がはしゃいだ声を上げた。
「へ? ホントにそうなんっスか!?」
「うん、そ~。この春新発ば~い! 『桜マン』だって」
「まだ僕らも食べたこと無いんだけどね。とりあえずまず、越前に上げようと思って」
 えぇっ、と嘘だと言わんばかりに振り向いた桃城にかまわず、菊丸と不二はにっこりと満面の笑みを浮かべてリョーマに告げる。
 それにリョーマは、「はぁ」と気の無い返事を返した。
 言われてみればこの前、ヒナマツリとかの日に母親が買ってきた『桜餅』の味に似ている。
 どうりで覚えがあるはずだ、と納得して、リョーマは残った桜マンをぺろりと食べきった。
「どう? 桜味、お気に召した?」
「ウマイと思うっスよ。けど」
「けど? にゃんだよ、今度買うかどうか決めるんだから、ハッキリ感想言えよにゃ~」
 にこにこ笑顔の不二はともかくとして、菊丸はどうやら、毒見役にリョーマを指名したらしい。む~っ、と頬を膨らませて詰め寄る菊丸にわずかに眉を顰めて、リョーマはいまだ不二が預かっていたままの炭酸飲料に手を差し出した。


「・・・やっぱ、ホンモノの方が、ウマイっス」


「・・・・・・は?」
「・・・ごめん、越前。その意見には同意してあげられないよ」
「当然っス。むしろされたら、センパイ方でもヨウシャしないんで」







 そんなわけで、某7・11コンビニで見つけた、新商品『桜マン』ネタです。
 ほんのりピンクで可愛いの。味も、桜アンがしつこくない甘さで、美味しかったですよ~。お勧めです、ゼヒv

 あ。
 要深読みで。お願いします(苦笑)。
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