企画部屋チャレンジルームにお題の16.『理性との戦い』をアップしました~。身代わり伯爵シリーズよりリヒャルト×ミレーユ、お題の02.『無自覚という名の罪』の続編になります。お風呂でいちゃいちゃ。
断わっておきますが、企画部屋は全年齢向けですよ(笑)??
薄荷さ~ん、こんな感じのものができました~~。>私信
真生さん、今日出勤時になにか、妙なものを目撃しました。
ので、ちょっとSS風に書きだしてみたいと思います(何で??)。
[0回]
もう間もなく昼になろうかという時間帯の電車は乗客もまばらで、四両編成の車両の座席はところどころ空いている。
いつものようにその電車の、前から三両目に乗り込むと、真生は進行方向に対して右側、対向電車とすれ違う側の座席の端に腰をおろした。
いくらラッシュの時間はすでに過ぎているとはいえ、久しぶりに晴れ間の広がる土曜日の昼。
椅子に座れず、乗り換え駅までの四駅の間ずっと立っていることも少なくないため、ラッキー、と少し嬉しくなりながらバックに手を入れる。昨日半分まで読んで、途中までになっていた文庫本を取り出し、いそいそ、と挟んでいた栞の位置を開くと、視界の端に何か黒い物が映った。
普段ならば、気にもならないはずの影。それこそ、本を読んでいるときは他の音すらも聞こえなくなることだってあるというのに、真生は顔をあげた。
目の前には、小さな男の子を間に挟んで座った家族連れがひと組。そこから三人分ほどの隙間を空けて反対側の端に、真生と同じか、それよりも少し若いかくらいの女性が座っている。七人掛けの座席に座っているのはその四人だけで、その周囲には他に人がいない。
上線であるこの電車は、真生が乗り換える駅までの間、開く乗降口はすべて左側になっている。
そのため、そちら側には比較的大きな次の駅で降りる乗客などが二、三人ほど立っていることが多いのだが、今日はそれがない。
珍しいなぁ。と思いながらも真生は、その女性に目を向けた。
黒いコートを着た女性の胸から腹部にかけてなにか、黒く丸いものが見える。
肩からかけているわけでもなく、膝の上に載せているわけでもない、鞄にしては不自然な位置にあるふくらみは、裸眼では0.1もない視力のせいか、『何か黒いもの』としか見えない。
それなのに何故か、唐突に真生はそれが、幼い少女の頭だと思った。
耳の上、高い位置で二つに分けた髪をくくり、黒いワンピースを見た幼女の後ろ姿で、あの丸い物は少女の頭なのだと。
角度的にどうやら、膝の上に横抱きにしているらしいと考えて、真生は視線を本に戻した。それにしては頭身のバランスがおかしいような気はしたが、こんな空いた車両の中でも子どもを膝の上に載せているらしいその女性に好感が湧いたため、特に気にならなかったのだ。
そうこうしているうちに電車は次の駅に向けて、徐々に速度を緩めていった。
どうやらこの駅で降りるらしく、女性は両腕でその少女を右横へと下ろした。下ろした、はずだったのだが。
何故かそこには、誰もいなかった。
女性の腕は確かに右側―――真生が、いる方向へ動いた。そうなれば当然、女性の斜め前にしろ座席のとなりにしろ、つい先ほどまで膝上に乗っていたはずの幼女の姿があるはずだ。
それなのに真生の前の座席には変わらず三人連れの親子と、それからその女性の姿しかない。
ひょっとして、見間違えた?
真生は、ぱちぱち、と眼を瞬いた。
もしかしたらこちら側に下ろしたと思ったけれど逆で、扉側に下ろしたのかもしれない。女性のコートは裾が広がっていたし、少女の服は黒だったから、その陰に隠れていたのかもしれない。
けれど、女性は一番端に座っているのだから、たとえ扉側に下ろしたのだとしても、そこに立つ少女の姿があるはずだ。
それなのに。
静かに電車が止まり、女性が立ち上がる。ドア側に持っていたらしい鞄を肩に持ちなおして、開いたドアから降りていく。車両はこの駅の改札口から少し進んだ位置にあるため、必然的に女性は真生の目の前を通って改札へと向かうのだが、その周囲にはやはり女性の他に人はいない。普段はこの車両から四、五人は降りるはずの駅なのに、他の車両と違って今日は女性一人だけだ。
う~ん、と首を傾げて、そういえば、と真生は気付いた。
真生は最初、その黒い物を『なにか丸いもの』としか認識していなかった。
次に、長い黒髪を高い位置でツインテールにした幼女の頭だと思った。
『小さな女の子を乗せているんだ』ではなく、『女の子の頭』だと。
そして、こちらに背を向けて座っているのだから、肩や背中のラインが見えるはずなのに、その子には『幅』を感じなかったのだ。おまけに、女性の両手は自然に膝の上に添えられていた。幼女の躰を抱きしめているわけではなく、女性自身の膝の上に。幼女が座っているはずの、太股の上に。
けれど女性は、確かに降車駅に着く直前、太股の上に乗せていた『何か』を右横に下ろす、仕草をしたのに。
END
本気で、なんだったんだろうなぁ、あれ……??
っていう話を職場で、どう思う??と同僚岩ちゃんに話したならばさわやかに、
「おめでとう、社会人デビューやね」
と言われました……orz 意味違っっ。
違うって! だって別に周囲の気温下がった感じしなかったし、特にぞくぞくしなかったし怖いとも思わなかったしこっち振り向かなかったし!!(振り向かれてたらヤバかったんじゃね?とも言われた;;;;;)
……確かに、『頭』っていうのはすっごい思ったけど(ツインテールにしてる分け目もはっきり見えたし)、『体』は見えなかったんだよなぁ。それなのになんでか、「黒いワンピース」だって思ったけど。
…………………………いやいやいや!! オイラ鈍いからそんなの見えたことないしこれからも見たいと思わないから!! っていうか、二十歳までに見なかったら一生見ないっていうじゃないか~~!! こんな年でチャンネルいきなり合わされても困る困るっっ!!
から、気のせいだ!! きっと寝呆けていたんだ!! と必死に言い聞かす。
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