え~、今更ながら、先週にご近所様ときゃたきゃた繰り広げたカンファでの産物を、アップしたいと思いますです。
いや、結構その場のノリで書くので、だいたい流すんですけど。博士仕掛けver.をかなやんがアップしてくれてたので。じゃあ、私も上げようかなぁ。と。……最近、更新速度がめっきり落ちてるからねorz
そんなワケで。深夜&酒&即興なので、短い+手直ししてない分、ちょこちょこ読みにくい部分があるかと思われますが。勢いを大事に、あえてそのままさらけ出そうと思います(笑)。
全然良いぜ、読みたいぜ! っていう男気溢れる皆様は、どうぞ折畳を開いてくださいませ☆
[19回]
「なんか、しんどそうだね」
ひっく。ひゃっく。と、不機嫌そうに眉を寄せて、書斎から出てくるなり無言でソファに身を沈めたまましゃっくりを続けるナルを、麻衣は心配げに見上げた。
口を開く度に出るらしく、ぎろり、と鋭い目で見られるだけで、返事はない。けれど、その視線が嫌でも、「言わなくても解るだろう」と告げていて、麻衣は肩を竦める。
ゆっくり、ゆっくり、と最初は呼吸を整えるためにか、いつも以上に少量ずつ飲んでいた紅茶は、すでに二杯目が空だ。おかわりは、とポットを掲げることで訊ねると、やはり無言で首を左右に振られた。どうやら先ほど、口に含んだ瞬間にしゃっくりが出たせいで、激しく咽たのが辛かったらしい。痛むのか、咽喉を右手で摩りながらこちらを睨んでくるナルは、若干涙目になっているせいで迫力など欠片もなかった。
「う~ん……すっごく驚いたら、止まるっていうけどねぇ」
効果の程はどうあれ、しゃっくりを止めるために一番よく知られている民間療法は、急に大声を出すなどして対象を驚かせることだ。だが、日頃から沈着冷静、よほどのことが無ければ感情を大きく揺らすことのないナルを驚かせるなんて、どうすればいいのだろう。
「ぼくが、っく! そうかんた……ひっく!に、おどろく――ひゃっく!?」
「あぁ、ほら! 喋ると余計に苦しくなるんだから、黙ってなよ」
一番良いのは、目の前に派手な心霊現象でも起きることだが、リンの結界によって守られたこのマンションに侵入できる霊なんて、そうそう都合良く現れないだろう。というよりもむしろ、そんなものが入ってきた日にはナルと麻衣の二人だけでは対処のしようがない。
うぅん、と『ナルを驚かせる方法』を唸りながら考えていた麻衣は、不意に思いついた方法に、はた、とその動きを止めた。
たぶん、いや確実に、ナルは驚く……と、思う。
けれどそれは、自身の羞恥心と多大な勇気を必要とする行為で、ちらり、と麻衣は彼に目を向けた。
ひく。ひゃく。と変わらずしゃっくりに苦しんでいるナルは、けれど伺う視線を向けた麻衣に、なんだ、と目線だけで答えてくる。本当に苦しいらしく、素直に黙ったままこちらを見てくるナルに、えぇい、女は度胸だ。と一つ呟くと、麻衣はソファの上に膝立ちになった。そのまま、ナルの肩に両手を乗せて、ぐい、と躰を大きく伸ばす。
「っ……!!」
ひゃっく! と彼が大きく息を吐き出した瞬間を見計らって、麻衣はその唇を塞いだ。そのまま、思い切って舌を伸ばし、予想外だったらしく硬直しているナルのそれを絡め取る。
「ん……!?」
どちらかと言えばこういった行為はナルに為されるがままなので、正直どういう風にすればいいのかさっぱり判らない。が、水をゆっくり飲むのも、驚かせるのも根本的には、不規則になっている呼吸をいったん止めて、正常なそれに戻すための行為だ。それならば、これでナルのしゃっくりは止まるはず。
「お、驚い、た……?」
二、三度舌を絡ませて、ちゅ、と小さな音と共に離れる。真っ赤に染まっているだろう頬を自覚しつつ、そぉ、っとナルの顔を覗き見ると、ぽかん、と間が抜けたように口を開いたままにしていた。次いで、自分が今何をされたのか理解したらしく、その顔が一気に赤く染まる。
「っ、麻衣、お前……!」
「な、何さ、止めてあげたんじゃん!」
仕掛けた麻衣以上に頬を紅潮させている彼に、自分のした行為の大胆さを思い知らされて、麻衣は反射的に怒鳴り返した。
「か、感謝してよね、むしろ!!」
が、このままこの場にいたら、羞恥心で心臓が持たない。第一、案外と負けず嫌いなところがあるナルのことだ。頑張って勇気を出したのに、何らかの形で報復なんてされては堪らない。
「お、お茶いるよね! 淹れてくる!!」
そのため麻衣は、さっさとソファから立ち上がると、ナルの顔も見ずに言い捨ててキッチンへと逃げ出したのだった。
END
こんな感じ~。
うし! では寝ます。
皆様、おやすみなさいませ~(・ω・)ノシ
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